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2020.11.29

「競馬場における放馬の早期検知」の課題について現場見学会を開催しました!

9月24日(木)の「競馬場における放馬の早期検知」をテーマにした課題説明会をうけて、10月16日(金)に高知競馬場にて現場見学会を開催しました。

放馬(馬が人間の手を離れて逃げ出すこと)による人身事故や競馬場外での交通事故を防ぐために、高知競馬場では放馬発生後に関係者に通報するシステムを導入されています。しかし、人間が放馬に気付くまでのタイムラグや夜間の放馬に気づかない等の課題が残っているとのこと。当日は、課題提供者である高知県競馬組合の松本様にご案内をお願いし、普段は足を踏み入れることのない馬房や競馬場の内部を見学させていただきました。

■現場見学会当日のスケジュール
前半:競馬場敷地内の見学
 ・競馬場敷地の入り口から馬房、競馬場内の現場見学

後半:意見交換会
 ・現地およびオンライン参加者から課題提供者への質問や提案

■馬房へと続くゲートから見学会スタート!
高知県IoT推進ラボ研究会会員(以下、ラボ会員)の皆さまに高知県競馬組合の事務所にお集まりいただき、監視室のある入り口ゲートから見学会が始まりました。高知競馬場の馬房は競馬場に隣接しており、競走馬のトレーニングは場内で行われています。そのため敷地内の道路は、自動車も馬も通ることができます。馬が一般道に飛び出さないように柵が設けられていますが、2メートル程度の高さがないと完全に防ぐことができないそうです。馬の身体能力の高さにラボ会員の皆さまも驚いていました。

■馬は繊細で賢い動物、その特性に合った課題解決策を考える
馬房へと向かう道路には、不審者対策用の監視カメラと放馬を知らせるランプが設置されています。電柱に取り付けられた(下の写真)赤い箱を開けると中にボタンがあり、脱走を発見した人がボタンを押すとランプが点灯し、放馬を知らせる仕組みになっています。馬は音や光に敏感に反応するため、放馬を知らせるためにサイレンのような大きな音は使えないとのこと。馬にとって何がストレスになるのか、どこまでが許容範囲なのか、放馬防止に用いる技術を検討するために質問が次々と飛び出します。

■課題の現場は、アイデアが生まれる場所
馬房へと足を踏み入れると、競走馬たちとの対面です。馬房の内部構造や馬が外に出ないようにするためのバーの仕組みを詳しく説明していただきました。ラボ会員の皆さまは、現地とオンラインの両方の参加者がその場で意見交換を行い、解決策のアイデアを提案する場面も見られました。

■現場見学会を踏まえ、新たな視点に気づく意見交換会
課題説明会では監視カメラの画像データを用いて放馬を検知するという案が多かったのですが、現場見学会後は馬房から馬が出ないようにする予防対策についての意見交換も活発に行われていました。現場を訪れてみて分かる事実により、新しい発想が生まれます。放馬による事故を防ぎ、馬にストレスをかけず良い環境で生活をさせたいという松本様のお話に、ラボ会員の皆さまは真剣な表情で耳を傾け、解決策を検討されていました。

■課題解決への一歩は、プロジェクトチーム作りから!
課題説明会や見学会後に、「自社だけで取り組むのは不安」、「他の企業と一緒に製品開発をしたことがないので進め方が分からない」といったお声をいただくことがあります。プロジェクトチーム組成にあたり一緒に取り組む企業のご紹介や、事業開発を進めていくためのハンズオン支援も行っています。また、市場調査や試作品開発に活用できる補助金もありますので、お気軽に事務局までお問合せください。

■まとめ
今回の現場見学会により、課題説明会では見えなかった事実やその他の課題が見えてきました。また、課題の当事者に重視したいことや優先事項を直接お聞きし、新たな視点で課題を捉えることができました。現場見学会を通じて、異なる技術を持つ企業同士が出会い、新たな課題解決の可能性が生まれます。新規事業開発を検討されている県内外のIT企業さまのご参加をお待ちしています!

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