2020.08.03
【イベントレポート】6月26日(金)高知県オープンイノベーションプラットフォームのキックオフセミナーを開催しました!
6月26日(金)に開催した高知県オープンイノベーションプラットフォームのキックオフセミナー のレポートをお届けします。
そもそも高知県オープンイノベーションプラットフォームとは?
高知県オープンイノベーションプラットフォーム(高知県OIP)とは、高知県IoT 推進ラボ研究会の取り組みをベースに、デジタル技術による課題解決型の新事業創出をオープンイノベーションの手法を活用して実施するものです。
セミナー概要
今回、高知県OIPの初のイベントに、会場・オンライン含め高知県内外の約200名の方にご参加いただきました。
<セミナー内容>
・高知県OIPの紹介と活用のポイント
・第一部 地方から未来を創るイノベーション
自ら新事業を立ち上げてきたゲスト講師に学ぶ、新しい価値創造のポイント
【講師】
鎌田 富久 氏 TomyK Ltd. 代表 / 株式会社ACCESS共同創業者
近藤 洋祐 氏 株式会社電脳交通 代表取締役社長
・第二部 高知の強みを生かした新事業創造
農業、水産業、モビリティの取り組み事例をもとに考える、高知県OIPの可能性
< 農 業>
IoP(Internet of Plants)プロジェクト(高知県農業振興部IoP 推進監 岡林 俊宏)
<水産業>
養殖業自動給餌機「餌ロボ」(高知県IoT 推進ラボ研究会会長 中城 一明 氏)
<モビリティ>
中山間地域における次世代交通(高知県商工労働部産業創造課長 濱田 憲司)
【第1部・2部共通パネリスト】
越塚 登 氏(東京大学大学院情報学環 学環長・教授 高知県IoT 推進アドバイザー)
中城 一明 氏(パシフィックソフトウエア開発株式会社 代表取締役社長/高知県情報産業協会 会長/高知県IoT 推進ラボ研究会会長)
麻生 要一 氏(株式会社アルファドライブ 代表取締役 兼 CEO)
登壇いただいた皆さまのお話
今回のOIPキックオフセミナーに登壇いただいた登壇者の方々のお話のポイントをご紹介します。
株式会社アルファドライブ 代表取締役 麻生 要一氏
会社の未来=高知の未来、日本の未来を創ることにつながっている
オープンイノベーションとは、会ったことのない人と出会って一緒に新規事業を作ること。
仮説を顧客に当てる回転を繰り返すことで新規事業が立ち上がっていく
県内IT事業者は課題を新しいビジネスにする、技術やテクノロジーを持つ企業はOIPを社会実装機会とする、課題提供者は目の前の課題を持ち込んでみてほしい。
TomyK Ltd. 代表 鎌田 富久氏
新たな豊かさの創造が求められる時、地方にこそチャンスがある
人口減少の今、経済を伸ばすには古い価値観を破壊するイノベーションが求められる。地域課題をデジタルで解決する時代の到来である。
技術を磨くのではなく課題を磨くことで事業は加速していく
少子高齢化が進む地方こそ未来化を加速しなければならない。従来のやり方では、視野が広がらないからこそ、OIPに参加して未来を創るイノベーターになろう。
株式会社電脳交通 代表取締役社長 近藤 洋祐氏
徳島のタクシー会社が、業界全体の負を解消する仕組みを生み出した
タクシー業界は,ドライバーの高齢化や配車センターの人材不足等多くの課題を抱えている。
これからは、企業の壁を飛び越えて、タクシー業界の未来を協創していきたい
業界全体の課題を解決するためにタクシー業界初のIT企業として、クラウド型の配車システム・配車コールセンターの運営を行い、全国へ拠点を展開している
東京大学大学院情報学環 学環長 / 高知県IoT推進アドバイザー 越塚 登氏
東京でやりやすいこと、東京でやりにくいことがある
東京のビジネスモデルはワールドワイドに見るとマジョリティーではない。
ドラスティックに物事を変えるのは地方の方がやりやいのではないか
見方を変えれば、地方の事業モデルが世界で通用する場合もあるのではないか。地方から世界をダイレクトに見てみてはどうか。
パシフィックソフトウェア株式会社 代表取締役 中城 一明氏
高知でやるなら、高知が盛り上がること、意義のあるテーマに挑戦したい
高知で成功し、それが全国に広がっていくように進めていきたい。
新規事業は1社ではまかないきれない。企業どうしの信頼関係を築く必要がある
水産業の新しい製品やサービスを展開し、地域に貢献していく。新規事業を通じて水産業だけでなく地域の他の産業の発展も目指していくべきである。
高知県農業振興部IoP推進監 岡林 俊宏氏
データ農業でNext次世代型施設園芸農業へ
農業は化学である。施設園芸は二酸化炭素、水、光をデジタルでコントロールできる。
高知は、意欲が高い農家の方が多く、データ農業が定着している
この土台を生かし、研究者や技術をもつ企業と協力して、より効率良く、楽しくやれる施設園芸を構築していきたい。
高知県商工労働部産業創造課 課長 濱田 憲司 氏
デジタル技術で元気な公共交通に!人口が少なくなっても、人の移動のニーズは残る
データ・情報(遅延情報や位置情報)、運行サービス、経営主体のデジタル化が求められる。
ローカルにおける新しいモビリティのビジネスモデルを創りたい
事業者、交通事業者、自治体が上手く連携していけるモデルを創れば、全国へ広げていける。バス、電車、鉄道などの業態を超えて地域の移動をどうするか考えていきたい。
第二部では、水産・農業・モビリティに関する発表内容を振り返りながら、高知県OIPの可能性について、登壇者の皆さんで意見交換が行われました。
「農業・水産・交通だけでなく、データがクラウド化されれば、林業や畜産にも活用が広がっていくのではないか、データ活用にはまだ余地があり、伸びしろもある。今後の高知から世界へ飛び出していくことに期待したい。」―越塚氏からの激励のメッセージをいただきました。
セミナーの最後には、会場・オンライン参加の皆さまからいただいた質問に対して、登壇者の皆さまに回答いただくセッションもありました。
「高齢化や人口減による社会的な課題をテクノロジーの力で解決する。この理想に対して、高齢者はテクノロジーに対するアレルギーというか拒否感が強いのも現実だと思います。近藤さんに伺いたいのですが、そのような人に対してテクノロジーの素晴らしさを認識してもらい、行動を変えてもらうにはどんなアプローチをしましたか?」
「彼らにとって価値のあるものだと認識してもらうことが大事。システムとどう向き合うかではなく、そこから掘り下げて、システムを使い、行動様式を変えると彼らにどう利潤が回ってくるか具体的に伝えることが大事。例えば、日曜の深夜はお客様が少ないという思い込みも、実はデータを分析してみるとそうではなく、機会損失になっている場合もある」−近藤氏の回答より抜粋
「イノベーションにチャレンジする場合には多産多死であることが想定され、体力がない企業がチャレンジを続けるために、上手な方法や必要な環境、マインドは?」
「早く失敗する、体力があるうちに失敗することが大事。そのサイクルを早く回していくこと。そうすれば失敗は経験になる。一発目で成功することはなく、2発目3発目で成功する事が多い。」−鎌田氏のご経験をふまえた貴重なアドバイスをいただきました。
登壇者の皆さんの新規事業の取り組みの失敗・成功体験、デジタル技術の可能性、高知県だからできること等、他では聴くことのできないお話ばかりでした。ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました!今回のセミナーの映像はこちらから視聴することが可能です。
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