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2021.09.22

【セミナーレポート】高知県オープンイノベーションプラットフォームセミナー「スモールステップではじめる事業開発のポイントと事例紹介」(2021年7月21日)

2021年7月21日に、高知県オープンイノベーションプラットフォームセミナー「スモールステップではじめる事業開発のポイントと事例紹介」を開催しました。

大規模な経営資源の投入を前提に考えがちな新事業開発を、限られた経営資源でいかに効果的に進めるのかをテーマに、事業開発支援の経験の豊富な講師に「課題起点での新規事業開発のポイント」と題して講演いただくとともに、地方で課題起点の事業開発に取り組まれている企業様の事例をご紹介いただきました。

県内外からオンラインで多くの方にご参加いただき、パネルディスカッションや参加者との質疑応答を通じて、事業開発のポイントを探りました。

この記事ではセミナーの様子をご紹介します。

セミナー概要

<第一部>
講演:課題起点での新規事業開発のポイント
講師:麻生 要一 (株式会社アルファドライブ 代表取締役 兼 CEO)

<第二部>
取組事例紹介:
事例①水産業をデジタル化する(自動給餌システム、自動計量システム)
中城 一明 氏(パシフィックソフトウエア開発株式会社 代表取締役社長/高知県情報産業協会 会長/高知県IoT 推進ラボ研究会会長)

事例②AIがコメの銘柄を自動判定「RiceTagプロジェクト」
立花 拓也 氏(株式会社ヘプタゴン 代表取締役社長)

<第三部>
パネルディスカッション
■テーマ「スモールステップではじめる事業開発のポイントとは?」
実際に課題解決型の事業開発に取り組んでいる2社の事例紹介を踏まえ、各事業検討のフェーズにおいて限られたリソースで効果的に事業開発に取り組むポイントを探ります。

■進行
宇都宮 竜司 (株式会社アルファドライブ高知 代表取締役社長)

■登壇者
中城 一明 氏(パシフィックソフトウエア開発株式会社 代表取締役社長/高知県情報産業協会 会長/高知県IoT 推進ラボ研究会会長)
立花 拓也 氏(株式会社ヘプタゴン 代表取締役社長)
麻生 要一 (株式会社アルファドライブ 代表取締役 兼 CEO)

セミナースタート

まずは高知県商工労働部産業デジタル化推進課課長補佐の谷内よりご挨拶と、高知県オープンイノベーションプラットフォームの概要について説明があり、セミナーがスタートしました。

【第一部】講演:課題起点での新規事業開発のポイント

第一部として、株式会社アルファドライブ代表取締役兼CEOの麻生から「課題起点での新規事業開発のポイント」について講演いたしました。

なぜこれからの時代に新規事業開発が必要なのか、また新規事業を作り出すためにはどういう思考を持つべきなのかなどを、上記の6つのポイントに整理し、さまざまな事例を交えながら講演しました。

【第二部】取組事例紹介

続いて、第二部として、顧客課題をデジタル技術を活用して解決し、サービス化を行った事例を2つお話しいただきました。

事例① 水産業をデジタル化する(自動給餌システム、自動計量システム)

ひとつめの事例紹介ではパシフィックソフトウエア開発株式会社代表取締社長の中城氏から、同社が開発した自動給餌システム「餌ロボ」の事例をご紹介いただきました。

餌ロボは、養殖における給餌の労力削減と、餌の無駄を抑えることができるシステムです。現在は高知県内だけではなく、四国や九州の養殖事業者に導入されております。

中城社長からは開発に至る経緯などはもちろん、試作品の製作から製品販売までの道のりなど、新規事業の開発に携わる方にとって大変興味深いお話を聞くことができました。

事例② AIがコメの銘柄を自動判定「RiceTagプロジェクト」

続いて株式会社ヘプタゴン代表取締役社長の立花氏と、株式会社KAWACHO RICEの川村氏から、AIがコメの銘柄を自動判定する「RiceTagプロジェクト」についてお話しいただきました。

Rice Tagプロジェクトは米の流通過程において異品種混入を防止するために、スマートフォンアプリで米を撮影することで銘柄を判定できるようにするプロジェクトです。

今回のセミナーでは同プロジェクトが立ち上がったきっかけから、実際にどういう取り組みをされてきたのかなど具体的なお話を伺うことができ、課題提供者と開発会社という枠組みを超えた信頼関係を感じることができました。

【第三部】パネルディスカッション

第三部は、本日ご講演いただきました皆様に、「スモールステップではじめる事業開発のポイントとは?」をテーマにパネルディスカッションを行いました。

実際に課題解決型の事業開発に取り組んでいる2社の事例紹介を踏まえ、各事業検討のフェーズにおいて限られたリソースで効果的に事業開発に取り組むポイントを探りました。

登壇者のみなさまからは、
「新規事業はいきなり専任ではなく、業務時間の一部を使って取り組んでもらうことにしており、チームも少しずつ形成していくことでリスクを軽減できる」
「現在の事業領域や自社の技術基盤の延長線上で考えられるような、できるだけ飛び地感のないところで事業を設計をすることが重要ではないか」
といった、まさに今回の講演タイトルであるスモールステップでの事業開発に役立つご意見をいただきました。

また、
「共働で事業開発を行うポイントは、いかに深い人間関係を構築できるかだと感じている」「地域では新しい取り組みはメディアに取り上げてもらいやすく、自社のPRにもつながる」
「特に地方では課題はあるが市場は小さいと思われがちだが、課題解決を地方で継続していくことで新たな市場を創り出していくことが大事だと思う」
「地方で抱えている課題は東京などの都市部でも5年後10年後に起こる課題なので、今のうちに地方で解決することでビジネスモデルを早くに構築できる」
といった、地方で新事業開発を行う意義やメリットを感じられるご意見もありました。

セミナーの参加者からは
「経営視点の話もあり参考になった」
「事例よりさらに具体的な話が聞けて面白かった」
といった感想をいただき、多くの方にご満足いただいた内容となりました。

最後に

高知県オープンイノベーションプラットフォームで募集している課題に取り組まれる際には、課題提供者へのヒアリングや県内外の企業様とのプロジェクト組成支援等のサポートをさせていただきます。
会員の皆さまが、新たな製品の開発を効果的に行えるように、今後もご支援を継続していきます。
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