2022.03.07
「淡水養殖場の状況把握・データ管理の効率化」の課題について現場見学会を開催しました!
昨年12月20日に課題説明会を行った課題テーマである「淡水養殖場の状況把握・データ管理の効率化」について、現場見学会を本年1月31日に梼原町で開催しました。
今回は、アメゴ(アマゴ)やウナギといった淡水養殖に関する課題解決がテーマとなります。アメゴやウナギについてはベテランの経験により養殖されていることが多く、事業者の高齢化もあり、次世代へのスムーズな承継が必要となっております。
そのため、ベテラン事業者の経験をより精度高く次世代に継承するとともに、事業者の負担を軽減するため、淡水養殖の重要な要素である水温、水質、水量(流量)等を効率的に把握・蓄積する仕組みが求められています。
当日は課題提供者に実際の養殖場や拡張予定の養殖池の現場を案内いただきつつ、課題説明を実施いただきました。
■現場見学会当日のスケジュール
前半:梼原町の現地見学会(養殖場や拡張予定の養殖池の現場見学)
後半:意見交換会(現地およびオンライン参加者から課題提供者への質問や提案)
■課題提供者:
越知面区区長 特定非営利活動法人おちめん理事長
集落活動センターおちめん推進委員会 会長 上田末喜 様
集落活動センターおちめんアメゴ養殖担当者 中越貴史 様
■梼原町アメゴ養殖場(中古屋地区)から見学会スタート!
高知県IoT推進ラボ会員(以下、ラボ会員)の皆さまに、梼原町アメゴ養殖場(中古屋地区)にお集まりいただき、見学会が始まりました。アメゴが水温や水質が少し違うだけでも育成に影響が出るという大変デリケートな魚であることなど、詳しい状況を共有いただきました。さらに、オンライン参加を含む、ラボ会員との質疑応答にもご対応いただきました。
■アメゴにウナギ、各々の特性を踏まえた育成環境が必要
アメゴは大変デリケートな魚であり、水温、水質が数度違うだけでも育成に影響が出ます。例えば、梼原町には3箇所の養殖場がありますが、水量やわずか2度の水温の違いから、孵化、稚魚育成用の養殖池を選び分けるなど工夫をしています。
また、ウナギについては県内で広く養殖が行われていますが、それぞれが綺麗な水質を生かしたこだわりの養殖を行っています。多くの養殖場では自然に近い環境で、できるだけ薬を使わず育成をしているため、病気の発生、拡大には気を遣っており、頻繁に見廻りを行いながら目視等で魚の様子や排水の汚れ具合、匂いを確認しながら、丁寧に育成をしています。
■檮原町のアメゴ養殖事業のさらなる拡大に向けた挑戦
梼原町のアメゴ養殖は本年度に大きな転機を迎えています。町内唯一のアメゴ事業者が高齢等の理由で引退するため、高知市から移住してこられた30代の後継者へアメゴ育成の技術の引継ぎが始まっています。梼原町も期待を寄せ、これを機に事業の拡大を目指すため、施設の更新を計画しています。そのため、今回のテーマにはデリケートな魚をミスなく育てる育成環境を整えつつ、新たな挑戦をする事業者の負担軽減につながる課題解決方法が求められています。
■プロジェクト推進に向けて、様々なフォローをいたします!
課題説明会や見学会後に、「自社だけで取り組むのは不安」、「他の企業と一緒に製品開発をしたことがないので進め方が分からない」といったお声をいただくことがあります。 プロジェクトチーム組成にあたり一緒に取り組む企業のご紹介や、事業開発を進めていくためのハンズオン支援も行っています。また、市場調査や試作品開発に活用できる補助金もありますので、お気軽に事務局までお問合せください。
■まとめ
今回の現場見学会では、梼原町が期待する淡水養殖業の未来や課題当事者の想いに直接触れるとともに、課題解決に向けて重視したいことや解決策について活発に意見が交わされました。
現場見学会を通じて、異なる技術を持つ企業同士が出会い、新たな課題解決の可能性が生まれます。新規事業開発を検討されている県内外のIT企業さまのご参加をお待ちしています!
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