-
~小さくはじめて、育て続ける~ ユーザーと一緒に考える「プロトタイプ」の作り方 開催レポート
令和5年11月14日(火)に、全国へ売れる製品・サービスを生み出す方法を学ぶイベント「~小さくはじめて、育て続ける~『ユーザーと一緒に考える「プロトタイプ」の作り方』」を開催しました。
当日は、「小さくはじめて、ユーザーと一緒に製品やサービスを育て続ける」考え方について学んだ後、ChatGPTを用いて実際にOIPで公開している課題を解決するプロトタイプを作成するハッカソンを行いました。
◼︎第一部:「プロトタイプ」を活用したサービス開発の進め方
第一部では、株式会社デジタル・コネクト プリンシパル 若宮 敬介 氏を講師に迎え、『「プロトタイプ」を活用したサービス開発の進め方 製品中心から顧客のニーズ中心へのマインドチェンジ』と題した講演がありました。
急速なテクノロジーの進化やマーケットトレンドの変化に対応しつつ、製品やサービスの開発を進めるためには、まずは小さく開発し、できるだけ早く顧客と向き合い都度改良を行う考え方が重要です。
具体的には、コンセプトを作り上げる自社内活動の段階と、顧客との対話を始めるプロトタイプの段階をもうけ、それぞれ目標を細かく設定し、少しずつ開発を進めていきます。
その過程で、関係者間や顧客との対話で使用する、「モックアップ(コンセプトや機能を説明する模型や資料)」や「プロトタイプ(試作品)」など「確認ができるものを小さく作る」ことがポイントです。
講演の中では、社内の意見を共有したり、ビジネス上の関係者(自社・パートナー企業・顧客など)を整理するなど、具体的な方法やツールの紹介がありました。
また、新製品開発や新規事業に取り組む際、社内のリソースが十分でない場合には、副業人材の活用によって補うことも推奨されていました。
参加者からは「開発工程においてどこまでをプロトタイプというのか?」「これまでコストをかけて進めてきたプロジェクトを、納得感のある形で終わらせるためにはどうしたら良いか?」などの具体的な質問があり、新製品開発や事業開発プロセスへの関心の高さがうかがえました。
◼︎第二部:OIPの課題でプロトタイプを作ろう(ハッカソン)
第二部では、OIPで公開している課題のひとつである「工事損害調査の定量評価(IoTデバイスの活用)」について、課題を解決するプロトタイプを作成するハッカソンを開催しました。
まず、課題提供者である、株式会社西日本開発コンサルタント 代表取締役 土居 義典氏から、OIPで公開した課題について改めて説明がありました。
続いて、講師のプロンプト・K株式会社 代表取締役 CHO 岩倉 路和 氏から、ChatGPTの概要や使い方、ハルシネーション(もっともらしいウソ)、セキュリティなど、利用にあたって気をつけることの説明がありました。
説明の中で、テーマを設定して小説を作り、その表紙の画像を作成するなど、ChatGPTでできることのデモンストレーションも行われました。
その後、ChatGPTを用いた課題を解決するプロトタイプの作成を、西日本開発コンサルタント様から提供された現場写真を用いて実施しました。
ChatGPTからの回答は、指示の出し方によって違いが出るため、有効な結果を引き出すために、参加者の皆さんは苦労されていました。有料版のChatGPTで画像分類や加工ができることを初めて知った参加者もおり、ChatGPTの活用の可能性を実感していただける機会となりました。
◼︎交流会
イベントの最後に、参加者同士や講師と交流していただく時間もありました。参加者の方々は、名刺交換や登壇者に個別に相談をするなど、活発な交流がありました。
◼︎最後に
今回のイベントでは、小さく開発を進めて顧客の声を早く取り入れることで「時間をかけて作ったけどお客様に使ってもらえない」という事態を防ぎ、効率的で確実な製品開発を進めるための手法を体験していただきました。
日頃の業務はもちろん、OIPで公開している課題の解決に取り組む際に役立てていただければ幸いです。
また、OIPで公開している課題の解決、製品やサービス開発を進める際に、「知見のない分野なのでどのように進めたら良いかわからない」「まずは市場調査をしたい」「製品やサービス開発後に販売するノウハウがない」という声をいただくことがあります。
OIPには、「ハンズオン支援」として、プロジェクトの進め方や進捗管理に関すること、市場調査や製品の販売支援に関することなど、各分野の専門人材に相談できる制度があります。
ご関心のある方は、ぜひ事務局までご相談ください。
■ 高知県産業デジタル化推進課 田辺・黒川
TEL:088-823-9751
E-mail:kochi-iot@ken.pref.kochi.lg.jp